今回は土工事(掘削工事)の施工管理時に確認するポイントについて解説していきます
工事計画を行う前に確認いただき、これから何をおこなうのか、求められている内容はどんなことなのか、作業前に明確にしてしっかり準備していきましょう!
この記事でわかること
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今回は土工事の流れにあわせて、管理ポイントを解説していきます
始めて土工事を担当する方への工事基礎知識として、担当したことのある方は復習として読んでいただきたい内容です
土工事がどんな工事であるか、については前の記事で解説しているのであわせて参照してください
杭工事完了後に行うことが多く、全体としては序盤に行う工事です
土工事の施工時期はこちら↓
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施工管理のポイント
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土工事の流れにあわせて、管理ポイントを確認していきましょう
長いですね、書いててびっくりしてます
読むのも大変かと思いますが順番に確認してきましょう!
準備
工事に着手する前に行う準備内容です
届出
特定建設作業届
振動・騒音を発生する重機を使用する工事がある場合には届け出を行います
特定建設作業を行う7日前までに届け出を行います
土壌汚染対策法に関わる届出
有害物質使用特定施設があった場所で、900㎡以上の地盤の形質変更(掘削など)を行う場合や、特定施設がなくても、3000㎡以上の土地の形質変更(掘削など)を行う場合に届け出が必要です
土壌の搬出に着手する14日前までに届出を行います
建設工事計画届
土工事を行う上で掘削の高さ・深さ10m以上の地山掘削を行う場合建設工事計画届が必要です
工事開始の14日前までに届出を行う必要があります
特殊車両通行許可申請
車両や積み荷の幅や重量が、道路の通行基準を超える場合に申請を行い、許可された内容で通行します
施工計画書の作成
施工計画書に記載された内容を現場で行うことになるので、工事で行う内容をほぼ全て記載します
施工計画書の作成業務は、手配漏れや確認不足をチェックするツールにもなります、大変ですがしっかり作り込むことで現場でのミスを防止できます!
施工計画書のテンプレートは、自社で設定されたものを使用してください
山留のテンプレートがかなり古い場合や、さまざまに改造されて基本の形が分からなくってしまっている場合にはWEBに公開されているものを参考すると作業がしやすくなります
一般社団法人日本建設業連合会のHPにひな形が掲載されています、公共建築工事標準仕様書(平成28年度版)に準じた内容に改定されています、山留工事以外の工事のひな形もあるので利用してみて下さい
https://www.nikkenren.com/ ←日本建設業連合会のHPはこちらです
仮設計画図の作成
工区を区切り、施工時期ごとに重機や機械の配置、作業範囲が分かる様に記載します
日々の打ち合わせでも使用する図面です、しっかり作り込むことであとあとラクが出来るポイントです
土工事用の仮設準備
山留め壁を構築する際に土砂を飛散させないように、通常の仮囲いより高い養生を設置します
調査
作業前に工事周囲の状況などを調査します
近隣調査
工事敷地の周辺へ影響がないことを確認します
近隣家屋調査
家屋や塀などに変形・倒れ・ひび割れ・沈下などが発生しないように管理します
工事の前に家屋調査を行い、工事終了後に工事によって起こったのか、それともそれ以前からの現象なのか、記録に残しておきます
工事期間中に、万が一影響を与えたしまった場合には真摯に対応しましょう
近接構造物への影響
特に公共物に近接した工事では、構造物の管理者との協議が必要です
鉄道・地下鉄・構想区道路・高圧線などなど
協議によって設定した許容値内に影響を収めることが重要です
井戸の有無
周囲に井戸を使用しているところがある場合には、井戸枯れがない様に管理します
工事のために排水を行うと周辺まで地下水位が下がることがあります、機械で吸い上げた地下水を、少し離れた場所に孔を掘って戻すリチャージ工法などの検討をしましょう
条例の確認
敷地がある地域の条例を確認します
池や指定河川にかかわる条例などは地域差が大きいので要注意です
前面道路埋設物調査
工事によって影響を与えないことが基準です
敷地の前面道路にはさまざまな公共物が埋設されてます
例えば、上下水道管・ガス管・電話線・電気線・共同溝などが該当します
敷地内の埋設物調査
事前に調査し、工事に影響がない様にしておきましょう
工事予定地は表面からだけでは確認することのできない物が埋まっていることがあります
これらの埋設物は山留工事や杭工事・地下躯体工事に支障が出る恐れがあるので、特に山留め壁の構築は、地表から行うため作業中は地盤状況が分かりにくいため、事前の調査が重要となります
地下水位
工事に地下水が影響がないことを確認します
ボーリング柱状図に記載された地下水位を確認したり、現地に水位確認用のボーリング穴をあけて、調査を行います
地下水位が土工事影響する高さの場合には、適切な排水方法を検討します
山留め位置の検討
山留め位置は周辺建物等から、適切なクリアランスが確保できることを確認します
塀までの距離、上部の架空線との関係など安全に作業が行えるように計画しましょう
重機や機械の搬入、組立設置
調査が終わり、適切に計画が作成したら工事着手です
まずは工事を行うための掘削重機やプラントを搬入して設置します
ここでの管理ポイント
作業する範囲の地盤が、重機や機械の重量に耐えられることを確認しておきます
重量と地耐力を計算して、不足しているようであれば鉄板を敷き込んだり、地盤を改良しておきます
プラント上の作業床が高さがある場合には
プラント周囲に手すりを設置して、作業中の転落を防止します
発電機を使用する場合には
必ずアースを設置して感電を防止し、定期点検を実施しましょう
山留め壁の設置
山留杭や壁が、計画した数値を満足できることを確認します
共通
施工位置が正しいこと、垂直であること
親杭横矢板
鋼矢板(シートパイル)
ソイルセメント地中連壁
掘削
いよいよ地盤の掘削を行います
バックホウやクラムシェルなどの重機を使用して地盤を掘削していきます
管理ポイントはこちら
掘削法面の管理
地山の種類によって法面の角度は制限されます
安全に作業するために必ず守らなくてはならない基準です
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排水設備の設置
掘削深さが地中の水位より深くなると地下水が湧き出るため、工事に支障がでてしまいます、掘削前や掘削時に機会を使用して排水を行います
排水工法
- 釜場排水工法
- ディープウェル工法
- ウェルポイント工法
釜場排水工法
掘削した底面へ仮設の穴(釜場)を掘り、水中ポンプを設置して水を汲みだす工法です
簡易的な工法です、雨水の排水や、地盤の間にたまった溜水の処理に適しています
ディープウェル工法
深井戸工法とも呼ばれます
鋼管を地中深くへ設置し、鋼管内に入ってくる地下水を強力な水中ポンプでくみ上げる工法です。地下水位を掘削底面より下げることが可能です
窯場工法と比べると費用や手間がかかります
ウェルポイント工法
掘削範囲の周囲に、短観サイズの配管を1~2mの感覚で打ち込み、それらを転がし配管で接続、真空ポンプを使用して地下水を強制的に吸い上げて排水する工法です
地下水位が高く、掘削深さが浅い場合に採用されます
排水処理
①土砂を排出しないようにする
砂などが流出しないように、不純物をとりのぞくための設備を設置します
ノッチタンクや沈砂地がよく使われます
②水質基準の確認
地域の排水基準を確認します、河川水質基準などで規制させる場合があります
たとえば、排水する水のph値は5~9未満とする、などの設定がされています
この値に収まらない場合には、機械で二酸化炭素を注入したり、薬剤を使用して、排水基準を守れるように対応します
③排水先の能力
下水道局などの管理者へ、工事敷地周辺の下水管本管の能力を確認します
排水処理先が合流の下水管である場合、処理能力を超える排水を行わないように確認しておきましょう
騒音・振動
特定建設作業の基準値内で作業を行うことが大切です
騒音は85デシベル以下
振動は75デシベル以下
作業を行える曜日や時間帯も規制されています、必ず確認しましょう
山留め壁の構築
親杭横矢板で山留め壁を構築する場合には、掘削に合わせて横矢板を入れ込んでいきます
発生土の処分・仮置き
発生土の処分先または仮置き場所の確保します
パート1まとめ
今回は地下躯体を構築するために行う土工事(掘削工事)について確認してきました
ここまでで、準備~掘削までを確認しました
ボリュームが多くなってしまったのでいったん区切ります!続きは次の記事へ!
ではまた!
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