今回は地下躯体を構築するために行う土工事(掘削工事)について解説していきます
土工事は若手の技術者が工事担当になることが多い工種です、担当したことのない方はベースの知識を0⇒1するために、担当したことあるよーって方は復習として活用いただきたい内容です
工事計画を行う前に確認いただき、これから何をおこなうのか、求められている内容はどんなことなのか、作業前に明確にしてしっかり準備していきましょう!
この記事で分かること
1.工事の時期は?
2.土工事の特徴として
3.土工事を行うときに必要な資格の一例
4.土工事に使われる重機や機械
5.土工事に関わる土工事業者以外の作業
6.土工事の全体の流れを確認
順番に確認していきましょう!
土工事の施工時期は?
土工事は山留工事・杭工事が終わったあとに行う工事です
工程表で見るとこちら↓
土工事が終わると次は地下躯体工事です、後工程に影響が出ないように、後工程で作業がしやすいように計画していきます
土工事の特徴を確認
山留工事で紹介した支保工などを、掘削工事の間に設置しながら作業を進めていくといった特徴があります
土は自然に作られたもので、他との共通性はなく、バラツキが多いものです
土工事をおこなっている最中は、山留めの変形や、周辺地盤の沈下などに注意して作業を進めることが大切です
事後や災害が発生すると怪我だけではすまない規模になることもあります、品質・安全ともにしっかり管理していきましょう
土工事を行うときに必要な資格の一例
土工事に使われる重機や機械
土工事は多くの重機や機械を使用して作業を進めます
一例を紹介します
土工事に関わる土工事業以外の作業
土工事を行うときには、複数の業者さんが同時にまたは合間に作業を行います
関係する業種を確認していきましょう
山留め工事
解体工事
杭工事で余盛がある工法の場合に、杭の天端高さを基準迄下げていきます
左官工事
捨てコンをコテやトンボを使用して平らに均してていきます
次工程で行う、型枠の建込み・アンカーフレーム設置・基礎配筋・基礎エースの設置精度に関わるためしっかり平滑にしたいですね
鳶工
安全設備を設置します
墨出し工
捨てコンの上に建物の基準のラインを墨打ちしていきます
墨出し屋さんに基準位置の設置をお願いしても、建物の位置や高さ管理は元請の責任です
必ず自分の目でも確認しておきましょう!
土工事の全体の流れ
土工事(掘削工事)のステップの確認をしていきます
※今回は便宜上、切梁を2段で設定しています
すこし多いですが順番に確認していきましょう
一次掘削
切梁・腹起しを設置する深さ+作業ができる深さまで掘削を進めます
この時の深さは、山留め壁が安全に自立できる深さであることを事前に計算して決定します
山留が親杭横矢板で構築する場合には、掘削に合わせて横矢板を設置し、ずれ止めとして木ずりを釘止めしていきます
切梁・腹起し(1段目)の設置
所定の深さまで掘削が完了したら切梁と腹起しを設置していきます
二次掘削
一次掘削と同様に、次の所定深さまで掘削を進めます
掘削深さがより深くなったら、バックホウを掘削面に下ろし、クラムシェルを併用して作業を進めます
切梁・腹起し(2段目)の設置
1段目と同様の作業ですが、設置時にはすでに1段目に切梁が設置されているため楊重作業はより慎重に行う必要があります
三次掘削・床付け
所定の掘削深さまで掘削を進めます
床付けは、掘削面が平らになるように仕上げることです
バックホウのバケットについている爪の形状を、鬼爪から平爪に取り換えて平滑に仕上げていきます
この時に掘りすぎてしまった場合には地耐力が不足する場合があります埋め戻して転圧を行う・改良土で埋め戻しなどで所定の地耐力を確保しましょう
杭頭処理
杭工事で余盛がある工法の場合に、杭の天端高さを基準の高さ迄下げていきます
作業は解体工さんや斫り工さんで行います
斫りすぎないように、ここまで斫る・解体するをしるしをしておきましょう(斫り墨出し)
砕石敷き+捨てコンの打設
床付け後の作業は、砕石敷と捨てコンの打設を行います
捨てコン(捨てコンクリート)とは
型枠や鉄筋位置の墨出しや、それらの受け台としての設置するコンクリートで、構造体ではないコンクリートです
基礎下の砕石厚さや捨てコン厚さは、設計図に記載されているので所定の厚さまで設置します
また、鉄骨用のアンカーフレームなどを設置する場合には、部分的に厚さを増やしましょう、薄いと固定用のアンカーの効きが悪くなります
基準墨出し
捨てコン打設後に、建物の基準となる線をグリット上に墨打ちしていきます
柱や梁の位置を確認出来るように、基準から○○mmずらした「返り墨」を出します
次工程でスムーズに躯体を作れるように墨出しを行うことが大切です
杭の測定
杭の頭を確認出来るようになったら杭の位置と高さを測定します
設計時に設定した位置や高さと、現地施工のズレが所定の許容値内におさまっていることを確認します
許容値内に収まっていない場合には、基礎フーチングを大きくする・基礎コンクリート強度をあげる・地中梁を大きくするなど、構造設計者や監理者と協議して、所定の強度を確保できるようにします
いずれの対応でも手間と時間がかかるので、測定でき利用になったらすぐに測定しましょう
地下躯体工事
ここはボリュームがあるので次回以降の記事に記載します^w^
埋め戻し
埋め戻しは300mm程度毎に締固めつつ、所定の深さまで埋め戻していきます
躯体の側面に300mmごとに印をつけておくと管理しやすくなります、300mmごとに赤白になっている既製品のテープなどを使用することで施工記録が見やすく写真に残すことが可能です
締固めはランマーなどの機械を使用して行います
切梁・腹起しの解体
所定の深さまで埋め戻しが完了したら、切梁腹起しを撤去します
山留め壁の撤去
埋め戻し完了後は山留め壁を解体します
シートパイルや親杭を重機を使用して引き抜きます
引き抜き後の隙間には砂・モルタルを使用して十分に充填します
まとめ
今回は土工事(掘削工事)の土工事の概要と工事の流れを確認しました
土工事の特徴として、山留工事・杭工事のあとに行われ、重機を使用して作業を行います
土工事をおこなっている最中は、山留めの変形や、周辺地盤の沈下などに注意して作業を進めることが大切です。品質も安全も確保できるように計画して管理していきましょう!
工事の流れとしては
- 掘削~切梁設置~掘削床付け~捨てコン打設
- 地下工事が完了後~埋め戻し~切梁解体~埋め戻し~山留め壁撤去
作業前の確認になれば幸いです
以上です!ではまた!
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