レディーミクストコンクリートを効率的に使いこなし、現場での作業時間を短縮。 適切な運搬と使用の手順を紹介します。
レディーミクストコンクリート(生コン)は、建設現場での作業を効率化し、品質を安定させるために不可欠な材料です。
しかし、運搬や使用の手順を誤ると、品質の低下や打設ミスが発生し、施工に問題が生じることがあります。
この記事では、レディーミクストコンクリートを効率的に運搬し、現場で正しく使用するためのポイントを解説します。
適切な運搬方法と使用手順をマスターし、作業時間を短縮しつつ、
高品質な施工を実現しましょう!
「本記事は、コンクリート施工に関するシリーズの一部です。このシリーズでは、施工の基礎知識から品質管理、運搬、締固め、養生まで、施工管理者が押さえるべきポイントを徹底解説しています。詳細な内容については、ぜひ他の関連記事もご覧ください。」
まとめ記事はこちら↓
レディーミクストコンクリートの運搬:品質を維持するための注意点
レディーミクストコンクリートは、製造後に現場まで運搬され、すぐに使用することを前提としています。
そのため、運搬中にコンクリートが劣化しないよう、適切な時間と温度管理を行うことが重要です。
- 運搬時間の管理
- 運搬中の温度管理
1. 運搬時間の管理
レディーミクストコンクリートは、製造後90分以内に打設を完了することが理想です。
時間が経過すると、コンクリートの硬化が始まり、打設作業が難しくなるだけでなく、強度や耐久性に悪影響を及ぼす可能性があります。
運搬距離と時間を計画:
現場までの距離や交通状況を考慮し、運搬にかかる時間を事前に計画しましょう。運搬が遅れると、コンクリートの品質が低下するため、現場と工場間の連携が重要です。
2. 運搬中の温度管理
コンクリートは温度変化に敏感であり、特に高温や低温環境で運搬される場合、温度管理が品質に大きな影響を与えます。
適切な温度管理を行うことで、施工時のコンクリートの流動性や硬化特性を維持することができます。
- 暑中施工の場合:
- 夏場の高温環境では、コンクリートが早く硬化してしまうため、冷水や氷を使ってコンクリートの温度を下げる方法が有効です。また、現場での打設時に温度が上がりすぎないよう、直射日光を避ける工夫も必要です。
- 寒中施工の場合:
- 冬場の低温環境では、コンクリートが硬化しにくくなるため、温水を使用してコンクリートを調合し、適切な温度で運搬します。さらに、運搬時には断熱シートを使用するなどして、コンクリートが冷えすぎないように管理しましょう。
レディーミクストコンクリートの使用方法:現場での効率的な打設手順
現場に到着したレディーミクストコンクリートを効率的に使用するための手順を守ることで、作業時間を短縮し、品質を確保することができます。
- 打設前の準備と確認
- 効率的な打設手順
- 締固めと仕上げ
1. 打設前の準備と確認
レディーミクストコンクリートを打設する前に、現場の準備を徹底することが必要です。
打設準備が整っていない状態でコンクリートが到着すると、打設が遅れてコンクリートが硬化し始めるリスクがあります。
- 型枠と鉄筋の確認:
- 打設前に、型枠や鉄筋が正確に設置されているかを確認します。特に、鉄筋の間隔や型枠の固定が正しいかどうかを点検し、コンクリートがスムーズに流れるように整えておきます。
- スランプ試験と空気量測定:
- 現場でスランプ試験や空気量測定を行い、コンクリートの流動性や性能が設計通りかを確認します。これにより、打設時の作業性を確保し、仕上がりの品質を保ちます。
2. 効率的な打設手順
打設作業は、迅速かつ均等に行うことが求められます。特に、現場での打設作業が遅れると、コンクリートが硬化してしまい、仕上がりに影響を与えるため、効率的な打設計画を立てることが重要です。
- 層ごとの打設:
- コンクリートは一度に大量に打設するのではなく、30~50cmの層ごとに均等に打設します。これにより、コンクリート内部に空隙ができにくくなり、強度が均一に保たれます。
- 連続打設を徹底:
- コンクリートは硬化が始まる前に、連続して打設作業を行うことが大切です。作業が途切れると、継ぎ目ができて強度不足の原因となるため、連続して打設を進めましょう。
3. 締固めと仕上げ
打設後は、適切な締固め作業を行い、コンクリート内部に残った空気を取り除くことで、強度を確保します。また、打設後すぐに仕上げ作業を行うことで、表面の滑らかさや美観を維持します。
- バイブレーターの使用:
- バイブレーターを使用して、コンクリートを均等に締固め、内部に残った空気を取り除きます。これにより、強度や耐久性を向上させることができます。
- 仕上げ作業:
- 打設後、コンクリート表面を平滑に仕上げることで、施工の美観を確保します。特に、仕上げ作業はコンクリートの硬化が始まる前に迅速に行うことが重要です。
施工後の養生と管理
レディーミクストコンクリートの施工後には、適切な養生を行い、強度を確保するために湿度や温度を管理することが必要です。
- 養生の重要性
- 温度管理
1. 養生の重要性
打設後、コンクリートが急速に乾燥しないように、湿度を保つための養生を行います。養生を怠ると、表面が乾燥してひび割れが発生し、強度が十分に発現しないことがあります。
湿潤養生:
散水や湿布シートを使用して、コンクリート表面が常に湿潤な状態を保ちます。これにより、コンクリートが十分な強度を発揮できるようにします。
2. 温度管理
季節や気温に応じて、コンクリートの温度管理を行うことも重要です。
特に寒冷期には、コンクリートが凍結しないように注意し、適切な温度での養生を行います。
寒中施工:
低温環境では、コンクリートが凍結しないよう、ヒーターや保温シートを使用して温度管理を徹底します。
まとめ
レディーミクストコンクリートの運搬と使用は、効率的な施工と高品質な仕上がりを実現するための重要なプロセスです。
適切な運搬時間と温度管理を行い、現場で迅速かつ正確に打設・締固め作業を進めることで、施工の品質を確保できます。
施工管理者として、各工程での確認を怠らず、効率的で高品質な施工を目指しましょう!
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