今回は建設工事現場で行われる、式典・地鎮祭について確認していきましょう
実施経験のある方は再度思い出すために、経験のない方はこれからやるべき業務内容をを把握するために見ていただきたい内容です!
準備工事の管理業務「調査編」「仮設工事編」の続き記事となります、前回までの記事も是非参照ください!
この記事でわかること
1.式典:起工式や地鎮祭の概要
2.地鎮祭の式次第の紹介
では、順番に確認していきましょう!
式典:起工式や地鎮祭の概要
式典は起工式や地鎮祭、安全祈願祭とよばれる行事で、主に工事着手前や工事の節目に行われ、工事の安全や建物・今後の事業の繁栄を祈るために行われる儀式です
工事現場では敷地内に設置したテント等で行われることが多く、主に手配は元請であるゼネコンが行います
式典は地域や宗教によって開催され方が異なります、今回は広く行われている神社の神主さんに依頼して行う式典の例を紹介します
式典での服装は男女ともにスーツを着用します、工事の節目で行う安全祈願などの場合には作業服で参加しても問題ありません
準備
まず、式典を行う前の準備作業を確認していきましょう
- 式典の日程を調整する
- 神主さんに来て貰うための依頼を行う
- 建物の位置をロープ等で分かるようにしておく
- 式典用のテントの設営
- 式典用の備品やお供え物を用意する
- 式次第を確認し、役割分担を行う
式典の日程を調整する
式典の日程は暦の上で良い日とされる日から選択されます
多くの式典は大安の日を選んで開催されます
大安の日は「大いに安し」「やってはいけないことがない日」とし、何かを始める日としては適した日とされいます
現在ではあまりこだわらない方もいるかと思いますが、日程を提案する側としてはお客様(建築主)へ配慮して、まずは大安の日から提案したほうが印象が良いと思います
神主さんに来てもらうための依頼を行う
式典に来ていただく神主さんは、地域の氏神様を祀(まつ)っている神社の神主さんに依頼を行います
依頼先が分からない場合には、近所の方や地域の商店・工務店に聞いてみると教えてもらえます
費用については各神社にて決められた金額があるので、直接神社に問い合わせを行いましょう
建物の位置をロープ等で分かるようにしておく
式典の日程調整や神主さんへの依頼が出来たら、工事敷地内の準備を行います
敷地内にて建物が実際に建つ位置にロープを張り、建物位置が分かる様にしておきます
式典用のテントの設営
式典を行うためのテントの周囲には砂を敷き込み整地しておきます
工事用の事務所などから式典の会場までは砂を敷き込む必要はありませんが、安全に通行できるように整備しておきましょう。式典当日に雨が降っても通路には水たまりが出来ないようにしたいですね
式典用のテントはリースで用意することが多いですが、式典の準備から片付けまで行ってくれる式典屋さんが存在します、準備の時間がない場合や式典の規模が大きい場合にはお願いすることも検討してはいかがでしょうか
式典用の備品やお供え物を用意する
用意する備品
- 竹
- しめ縄
- 祭壇
- 砂
- 鎌、鋤、鍬
- 椅子
- 手水
- 半紙(手水のあとに手を拭くために使用)
- 盃(御神酒用)
用意するお供え物
- 米
- 酒
- 野菜(土の上で取れるものと土の中で取れるもの)
- 海の幸(頭つきの魚、するめ、昆布など)
- 果物
- 榊(さかき)
地鎮祭の式次第の紹介
・手水(手水の儀)
手水(てみず・ちょうず)とは、神社にお参りする前に手と口を清める儀式のことです。建設工事現場でも、安全祈願祭の最初に手水が行われます。これは、工事に携わる人々が心身を清め、神聖な気持ちで工事の安全を祈るための重要なステップです。
実際に手水を行う際には、まず右手で柄杓(ひしゃく)を持ち、水を左手にかけて清めます。次に、同じく右手で柄杓を持ち替え、右手を清めます。最後に、柄杓で水を口に含み、軽くすすいでから口を清めます。
・修祓の儀(しゅばつのぎ)
修祓の儀(しゅばつのぎ)は、神職が祓具(はらいぐ)という特別な道具を使って、参加者やその場の穢れ(けがれ)を祓う儀式です。これは、神聖な儀式を行う前に、その場を清めるために行われます。建設工事においては、安全祈願祭の一環として、工事現場や道具が清められます。
この儀式では、神職が参加者や場所に向かって祓いを行います。お祓いを受けるときは頭を下げて受けるようにします。
・降神の儀(こうしんのぎ)
降神の儀(こうしんのぎ)は、神様を儀式の場にお迎えする儀式です。この儀式によって、工事現場が神聖な場所となり、神様の加護を受けることができます。
・献餞の儀(けんせんのぎ)
献餞の儀(けんせんのぎ)は、神様にお供え物を捧げる儀式です。建設工事現場の安全祈願祭では、神様への感謝と工事の無事を願って、お酒や食べ物などの供物が供えられます。この儀式を通じて、神様に対する敬意と感謝の気持ちを表します。
・祝詞奏上(のりとそうじょう)
祝詞奏上(のりとそうじょう)は、神職が神様に対して祈りを捧げるための祝詞を朗読する儀式です。建設工事の安全祈願祭では、工事の安全と成功を祈願するために祝詞が奏上されます。
・清祓いの儀(きよはらいのぎ)
清祓いの儀(きよはらいのぎ)は、建設工事現場やその周辺を清めるための儀式です。この儀式は、工事が安全かつ円滑に進むように、場所を神聖なものにする目的で行われます。
神職が祝詞を唱え、祓具を使って清めの動作を行います。
・地鎮の儀(ぎちんのぎ)
地鎮の儀(じちんのぎ)は、建設工事を始める前に、その土地の神様に感謝し、工事の無事を祈る儀式です。この儀式では、神職が土地を清め、神様に工事の安全と成功を祈願します。地鎮の儀は、工事の安全を確保するための大切な儀式です。
儀式の中で、神職が土地に塩やお酒をまいて清めます。また、工事関係者も参加し、神様に対する感謝の気持ちを表します。この儀式を通じて、土地の神様の加護を受け、工事が順調に進むことを願います。地鎮の儀は、工事の成功を祈るための基本的なステップです。
・玉串奉奠(たまぐしほうてん)
玉串奉奠(たまぐしほうてん)は、神様に対して玉串(たまぐし)という特別な植物を捧げる儀式です。建設工事現場の安全祈願祭では、工事関係者が順番に玉串を神前に捧げ、工事の無事と安全を祈ります。この儀式を通じて、神様に対する敬意と感謝の気持ちを表します。
玉串を捧げる際には、参列者の代表が一人ずつ神前に進み、玉串を慎重に捧げます。代表者の関係者は代表者の動きに合わせて二拝二拍手一拝の作法を行い、神様に対する祈りを捧げます。
・撤餞の儀(てっせんのぎ)
撤餞の儀(てっせんのぎ)は、神様に捧げた供物を撤去する儀式です。安全祈願祭の終了にあたり、神様に感謝の意を表し、供物を片付けることで、儀式を締めくくります。
・昇神の儀(しょうしんのぎ)
昇神の儀(しょうしんのぎ)は、降臨した神様を元の場所にお送りする儀式です。この儀式によって、安全祈願祭が正式に終了し、工事が始まる準備が整います。
・神酒拝戴(しんしゅはいたい)
神酒拝戴(しんしゅはいたい)は、神様に捧げたお神酒(おみき)を工事関係者全員で分かち合う儀式です。参列者はお神酒を頂き、工事の安全と成功を祈ります。
これで式典は終了です。
まとめ
今回は準備工事うち、式典の内容を紹介しました
地鎮祭などの式典は工事敷地内で行い、準備は元請(ゼネコン)で行う場合が多く、建築工事施工する地域の神主さんに来ていただき、お祓いや祈願をしていただきます。
地鎮祭や起工式は建設工事の安全と成功を祈願するために行われる重要な儀式です、基本的かつ重要なステップとして、多くの建設プロジェクトで欠かせない儀式となっています。
事前に内容の確認をして準備に漏れのないようにしたいですね。
今回は以上です、ではまた!
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