【準備工事】仮設工事とは?工事の目的と概要を解説!

施工管理業務

今回は、準備工事のうち仮設工事について解説していきます

「準備工事」は本格的に工事を始める前に行う工事です

工事範囲を区画する仮囲いやゲート、管理業務を行うための仮設の工事事務所の設置のほか

準備工事の管理業務「調査編」の続きとなります、前の記事も是非読んでみてください!

事前の調査や、調査に合わせて行う届出業務などが該当します

この記事でわかること

1.仮設工事の概要を確認

2.仮設工事の内容を確認

3.工事着手時に最初に行う仮設工事

4.共通仮設に分類される工事

5.工事期間中の直接仮設工事

順番に確認していきましょう

仮設工事の概要を確認

「仮設工事」は建築工事を安全で円滑に行うために、一時的に安全設備などを設置する工事です

仮設工事は工事計画が安全であることはもちろん、仮設であることから過剰なコストがかかっていないことも重要です

必要なもの・期間・場所など、作業所内でしっかり話し合って計画を進めていきましょう

仮設工事の内容を確認

つぎに仮設工事の内容を順番に確認していきます

基本的な知識です、しっかり把握していただきたいです!

仮設工事の分類

仮設工事は共通仮設と直接仮設に分類できます

共通仮設 各種の工事で共通して使用する仮設

  • 工事事務所・休憩所
  • 仮囲い・工事用ゲート
  • 仮設電気・給排水設備

直接仮設 各工事によって選択し使用されてるもの

  • 外部足場・内部足場
  • 工事測量(墨出し・位置出し)
  • 山留・構台
  • 杭用クレーンや鉄骨建方用クレーン

工事着手時に最初に行う仮設工事

工事に着手したら最初に行う作業を確認していきます

工事測量

工事前に敷地内外を測量・確認する作業です

建築主や工事管理者立会のもとで実施し、共通認識の下で工事を開始できる準備をします

敷地境界の確認

敷地と道路や隣地との境を示す点や線を、図面などをもとに確認していきます

境界の角には境界杭や鋲が打たれていたり、それらがなく塀しかない場合など、あいまいな場合もあります

工事開始前に必ず明確にし、工事完了後にはズレていないことを確認します

建物の位置や高さの確認

敷地境界などを基準として位置を確認します

高さの基準点は図面上に建物の建つ地盤面の高さがGLなどと表記されます

  • GL=T.P.+○○○○と記載があったり
  • GL=BM-○○の位置が前面道路のマンホール基準だったり現場毎に設定されます

ベンチマーク(BM)の逃げを設置

ベンチマークは敷地や建物の高さの基準点です

基準となる位置は既存建物や道路などに2点以上うつしておき、工事中に相互にチェックできる準備が大切です

共通仮設に分類される工事

本体工事の進捗に関わらず、工事着手時から完了近くまで共通して使用する仮設が該当します

仮設工事事務所等の設置

仮設事務所は、工事敷地内にプレハブなどで設置するか近くのアパートの部屋を借りて仮設事務所として使用します

管理技術者のデスクワークや打合せを行うスペース、職人さんの休憩スペース、トイレや更衣室などで使用できるように間仕切りを計画し、備品を配置していきます

大きな工事現場では監理事務所・設備・電気などのサブコン用事務所を設置することもあります

基本的には仮設なので簡易な構造でコストを抑えて計画しますが、仕事をするスペースであったり、休憩をするスペースなので快適性を確保することも重要です

トイレの個数や休憩所の広さは、工事最盛期の現場内の人数を想定して決めます

女性用の設備は動線にも配慮すること、施錠できることが大切です

仮囲い・安全設備

仮囲いとは、工事現場と道路や近隣敷地を区画するための囲いです

工事車両の出入り口や人用の通用口を設け、外部に見えるように工事用看板の設置が法令で定められています

仮囲いに使用される材料

フラットパネル 

2~3mの仕上げ面がフラット(平ら)なパネルを並べて設置するもの

・単管+シート張り

単管で下地を組み、下地にシートを張るもの、近隣への影響が少ない場合に採用されます

シートはメッシュシートや防炎シート・防音シートなど種類があるので必要な性能に応じて選択しましょう

・ネット張り

ネット+支柱で構成された上の2つよりさらに簡易な構造の囲いです

周囲に住居が無い場合や、工区の境など第三者への影響が少ない場所で使用されることがあります

仮囲いは安全に工事を行うことが重要目的の設備です

  • 工事によって敷地から何かが飛び出さない、不用意に入れないように区画する
  • コーナー部分は接触してもケガをしないように出隅を斜めにしたりカバーをつける
  • 車両出入り口には看板や回転灯を設置する
  • 暗い道では仮囲いに間隔をあけて夜間用の照明を設置する

また、仮囲いは街の景観を損なう恐れがあるものです

デザイン性のあるシートを張ったり、花を植えたプランターを置いたり地域へ向けた配慮・工夫もしたいですね

仮囲いにイルミネーションを付けた現場を見たことがあります、素敵でした

建設廃棄物ヤード

資源の再利用や、廃棄物を削減するために工事現場では分別収集・処分を行います

分別品目

木くず、鉄くず、紙くず、石膏ボード、コンクリートガラ、ガラスくず、段ボール、塩ビ(廃プラスチック類)、ロックウール、生ごみ、その他管理型廃棄物、などなどなど。。。処分業者さんによって各分別品目にいれるものが変わることがあるので注意です(軍手どこに捨てるのか分からない・・・とか聞かれることが多いですね)

注意点

廃棄物の保管場所には法令で定められた看板の掲示が必要です!忘れずに設置しましょう

混ぜればゴミ!分ければ資源! あたりまえですが、あたりまえのことをしっかりやっていきたいですね

工事用電源・給排水設備

工事場所には電気や給排水設備は、基本的に無い状態からスタートします

給水

前面道路から引き込み工事を行って、現場敷地内に給水設備を設置します

使用するためには届出が必要です、引き込み工事後の開栓は役所の方が来て行ったりします

排水

前面道路に下水管が入っている場合には、準備工事で接続して使用します、こちらも届出が必要です

または、現場内に浄化槽を設置したり、汲み取り式のトイレなどを設置します

浄化槽を設置する場合には検査や保守点検・清掃の義務があるので注意です!

電気

近くの電線から敷地内へ引き込みます

使用量が大きい場合にはキュービクル(変電設備)設置しますが、小さい場合には分電盤を設置して運用します

工事期間中の直接仮設工事

工事の進捗に合わせて設置する直接仮設

  • 外部足場 外壁に面して設置する足場
  • 内部足場 内部の工事に使用するための足場
  • 揚重機  各種クレーンや工事用エレベーター
  • 山留・乗り入れ構台

高さや楊重可能な重量によって、届出が必要になるもの

  • 足場設置届
  • 機械等設置届
  • 建築工事計画届

総合仮設計画図の作成

総合仮設計画図は、安全設備や重機を記載した工事の全体像が分かるようにした図面です

仮設工事で行う内容がほとんどすべてを記載します

総合仮設計画図に記載する内容の一例

  • 仮囲い、工事用ゲート・通用口
  • 工事事務所・休憩所・トイレ(必要に応じて喫煙所も)
  • 朝礼会場・安全看板や掲示板・外部へ向けた工事用看板
  • 産廃の分別ヤード
  • 給水設備・排水設備や経路・仮設電気(分電盤位置・仮設電柱位置)
  • 各工事段階ごとの通路や重機配置や荷下ろし場所
  • 各工事段階ごとの足場配置
  • 通勤車両置き場・工事用車両置き場
  • 前面道路にマンホールや消火栓、バス停などがある場合には記載しておきましょう

総合仮設計画図を作成するポイント

総合仮設計画図はある程度の期間ごとに作成することが大切です

地業工事や土工事を行っている期間、地上躯体工事を行っていると期間、仕上げ工事を行っている期間では現場の状況はガラっと変わってくるので事前に想定する必要があります

現場での工事打合せで頻繁に使用する図面です、準備工事時にしっかり作りこんでいきましょう

仮設工事:まとめ

仮設工事の目的は建築工事を安全で円滑に行うために、一時的に設置する工事囲いや足場などの安全設備を設置することです

建築工事は工事を行う条件が場所ごとで異なります、作業所内でよく話し合って適切な仮設を設置するようにしましょう!

今回は以上です、ではまた!

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