【品質管理】建設現場で使用される設計図書や仕様書について解説

施工管理業務

今回は建築工事現場で使用される設計図書や仕様書について確認をしていきます

適用図書とは、建築物を施工するときの基準となる資料です。

新たに配属された工事現場で、どの資料が適用され何を基準に工事が行われるのか、品質を管理された施工を行うためには最初に確認したいことの一つです。

建築物はさまざまな基準に基づいて設計され、施工していきます。

何を根拠にして建物は作られていくのか、優先順位はどうなのか、こんなテーマで解説していきたいと思います。

この記事で分かることはコチラです

1.設計図書や適用される図書とはどんなもの?

2.設計図書の優先順位は?

3.設計図書の内容を確認

順番に確認していきましょう!

設計図書や適用される図書とはどんなもの?

適用図書とは、その工事で使用・適用する仕様や施工基準を示した図書(資料)です。

工事に適用される図書等の優先順位を間違えると、管理するべき基準が変わってしまいうので施工した工事は丸ごとやり直しになってしまうこともあります。

やり直し工事は時間もお金も掛かってしまう上に、顧客である建築主への印象も悪くなりいいこと無しです、事前にしっかり確認しておきましょう!

多くの工事現場で採用されることの多い図書はこちら↓

  • 設計図や特記仕様書
  • 現場説明書、現場説明事項
  • 質疑回答書、追加変更指示書
  • 国土交通省大臣官房庁営繕部監修 公共建築工事標準仕様書
  • 国土交通省大臣官房庁営繕部監修 建築工事監理指針
  • 日本建築学会 建築工事標準仕様書・同解説 JASS〇〇

設計図書の優先順位は?

設計図書は基本的に後で作成されたものを優先に管理します。

優先順位を高いほうから並べるとこのようになります↓

  1. 質疑回答書・追加変更指示書
  2. 現場説明書・現場説明事項
  3. 特記仕様書
  4. 設計図
  5. 各種標準仕様書

こんな順番になります、あとから設定されているものほど現場の実状を反映されていて、施工者への最新の指示といったことですね。

設計図書の内容を確認

次に、適用図書の中でも特に施工者にかかわりの深い設計図書の内容を確認していきましょう。

質疑回答書・追加変更指示書

質疑回答書

設計図では詳細に分からない箇所や不明点について施工者から質疑を送り、監理者や設計者の回答を記載した資料です。

追加変更指示書

設計図に記載された内容から追加・変更の指示を施工者へ行うための資料です。

この2つの資料が現場で最も優先順位が高いものとなります

管理ポイント

設計図から変更があった内容は、施工管理用の図面に赤ペンなどで内容と日付を記載しておき、立会い検査時に変更履歴がちゃんと分かる様に整理しておきましょう。

現場説明書・現場説明事項

現地説明時・検知調査時に使用される資料です、工事着手時には設計図書等のひとつとされます。

工事の入札前などに現地で工事概要などを説明するための資料で、工事名称、所在地、工事の規模、建物構造、見積条件などが記載されています。

特記仕様書

設計図や各種仕様書を補足するための内容が記載されます。

技術的な収まりや仕様が記載されており、その建物で施工上のポイントになる部分についての指示事項となります。

設計図

設計図は建築主の要望を表した資料です。

意匠図、構造図、設備図、電気図などで構成され、その建物の基本事項を記載した図書です。

工事中は一冊をA1などの大きいサイズで製本し監理図面として管理します、変更のあった内容は日付とともに赤書きなどで追記しておき、常に現場と監理図面が一致している状態で工事を進めていきます。

各種標準仕様書

仕様書が優先順位としては最後となります。

優先度は最後ですが先に作成された資料であり、この基準は満たしていることが前提で工事管理されるもので、工事中の検査基準もこれらの仕様書から基準を決めているほど重要な資料です

他の図書で記載されていない施工基準などが多く書かれているので、工事中や施工計画を作成するときにお世話になる資料です。

採用されることの多い仕様書
  • 国土交通省大臣官房庁営繕部監修 公共建築工事標準仕様書
  • 国土交通省大臣官房庁営繕部監修 建築工事監理指針
  • 日本建築学会 建築工事標準仕様書・同解説 JASS〇〇

公共建築工事標準仕様書

国土交通省大臣官房庁営繕部監修の仕様書です。

現場にほぼ必ず置いてある緑色の本です、2021年6月現在では平成31年度版が最新になっています。

基本的には最新年度版を使用することが多いですが、公共建築工事標準仕様書は数年ごとに改定されるため、ちょうど改定時期直後に始まる工事では設計した時期や使用した年度版を確認する必要があります。

どの年度版を使用するのか、監理者・施工者が共通認識のもとで施工を行います。

建築工事監理指針

こちらも緑色の表紙の国土交通省大臣官房庁営繕部監修の仕様書です。

2021年6月現在では令和元年度版が最新ですね。

施工者としては公共建築工事標準仕様書を使用する機会のほうが多いです。

建築工事標準仕様書・同解説

建築工事標準仕様書・同解説は日本建築学会からでている仕様書です、いわゆるJASS〇〇と呼ばれる仕様書ですね。

JASS5のコンクリート工事や、JASS6の鉄骨工事など、工種毎に発行されています。

数値などの基準が細かく記載されているので、現場では緑本を概要を確認して、JASSでさらに詳細な確認を行うように使います。

現場で使う設計図書や仕様書についてのまとめ

今回は設計図書等の内容と優先順位について確認しました。

優先される順番はコチラ↓

  1. 質疑回答書・追加変更指示書
  2. 現場説明書・現場説明事項
  3. 特記仕様書
  4. 設計図
  5. 各種標準仕様書

後に作成された資料が優先順位が高いと覚えておきましょう!

また、公共工事標準仕様書やJASS〇〇などは施工基準などが記載されている図書です。

現場が始まったらスグに用意しましょう、自身のやるべきことや管理するべき項目と基準が記載されている重要な資料です!

今回は以上です、ではまた!

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