【品質管理】工種別施工計画書とは?記載内容と作成するポイントを解説

施工管理業務

今回は、建設現場で働く施工管理者の重要な業務のひとつである施工計画書の作成について解説します。

この記事では施工計画書に記載する内容をまとめています、工事担当者になった際に工事着手までに何を用意してどんな書類をつくる必要があるのか、事前に確認していただける内容です。

施工計画書は元請の工事担当者が作成業務を行います、初めて工事担当になったときに焦らずに業務をおこなえるように事前に確認いただきたい内容です。

この記事でわかること
  • 工種別施工計画書とは何か
  • 誰がなんのために作成する計画書なのか
  • 記載する内容やテンプレート

順番に確認してきましょう!

工種別施工計画書は誰が作成するもの?

施工計画書は、建設工事を請け負い管理業務を行う元請が作成する書類です。

各工事の着手までの流れはこちら↓

  1. 作業所長が全体工事施工計画書を作成
  2. 工事担当の職員が工種別施工計画書を作成
  3. 工種別施工計画書の社内承認
  4. 工種別施工計画書の工事監理者承認
  5. 工事の周知会実施
  6. 工事着手

工事現場では、その工事を担当する職員が施工計画書作成し、所長や会社内の担当部長などに承認をもらいます。

社内の承認がとれたら、次に工事監理者へ提出し、品質確保されるような内容・フローであるか確認してももらい、承認をいただきます。

施工計画書の工事監理者承認を得てから、各作業は開始されるため優先度の高い業務です

工種別施工計画書の役割

工種別施工計画書には、工事を行う上での管理基準や、役割分担、施工時期、施工方法など、その工事の内容すべてを記載します

作成の目的は、元請や監理者、施工業者が共通認識のもとで工事を進められること、必要な品質や安全を確保するためです。

この計画書をもとに工事を進め検査をおこなうため、工事中の重要な書類のひとつです。

施工計画書の内容が充実していれば、工事はスムーズに進捗するようになります。

この計画書作成業務は時間かけてでも作り込むことで、あとで十分効果があらわれる業務です、しっかり検討して作成行きましょう。

工種別施工計画書を作成する

ここからは工種別施工計画書に記載する内容ついて確認してきましょう。

  • 施工計画書はどの範囲の工事を記載するか
  • 施工計画書の書式
  • 施工計画書に記載する内容

施工計画書はどの範囲の工事を記載するか

施工計画書は各工事で作成するのではなく、各工種で作成します。

×地下躯体工事、地上躯体工事、内部仕上げ工事という工事区分で分けて作成するのではなく。

土工事、コンクリート工事、鉄筋工事、型枠工事などの工種別に作成します

小規模で標準仕様が決まっている工事や作業は、計画書の作成を省略することも可能です。

施工計画書の書式

施工計画書の書式は、基本的に所属している会社のテンプレートを使用します

もし行う工事のテンプレートがなかったり、作成された時期がかなり古くなってしまっている場合には、WEBに公開されているテンプレート参考にして改定していくことをおすすめします。

一般社団法人日本建設業連合会のHPに、施工計画書ひな形集がExcel形式で公開されています。

施工計画書ひな形集(改訂版) 日建連関西支部 IT専門部会ページはこちら

工種別施工計画書に記載する内容

つぎに工種別計画書に記載する内容を確認していきます。

  • 表紙
  • 目次
  • 総則
  • 工事概要
  • 品質管理工程表
  • 工事計画上の要点
  • 工事検査記録書
  • 施工要領
  • 安全・衛生管理
  • その他

表紙

表紙記載する内容です。

  • 工事名称
  • 〇〇工事施工計画書
  • 承諾・承認者サイン(工事監理者)
  • 元請名称
  • 施工者側の代理人サイン(現場代理人、監理技術者、工事担当者、協力会社)

目次

資料の見出しをなるべく完結に、掲載の順番に記載します。

総則

  • 適用範囲
  • 適用図書
  • 疑義、変更
  • その他

適用範囲

この施工計画書が、どの現場のどの工事に適用される管理方針なのか、を記載します。

適用図書

この工事はどの図書に基づいて施工されるのか、を記載します。

  • 質疑回答書、現場説明書、追加変更指示書
  • 設計図書、特記仕様書
  • 仕様書

疑義、変更

計画書に記載のない事項や、記載事項の質疑変更に関しては監理者・工事担当者と協議の上で承諾を得て施工することを記載します。

その他

施工計画書に基づき主たる工事の詳細については、施工要領書を作成し工事内容及び、作業の進め方等について周知徹底させて施工品質の確保に用いるものと記載します。

工事概要

工事概要には、全体工事概要とその工事の概要の2つを記載します。

工事全体概要

この物件の全体工事概要です、他の工事でも共通している一般事項を記載します。

記載内容はコチラ↓

工事名称、工事場所、発注者、設計、監理、請負者、工期、地域・地区、許容容積率、その他指定、主要用途、敷地面積、建築面積、建蔽率、延べ床面積、容積率、建物規模、建物の構造、建物の高さ…など。

工事概要

この施工計画書に該当する工事概要を記載します。

工事施工時期、設計仕様、施工数量、施工管理体制、工事工程表、品質管理基準など。

工事工程表

工事期間中に行う作業を、作業日数とともに記載します。

バーチャート工程表を使うことが多いですね。

工事計画上の要点

工事計画上の要点、関係工事の要点や取り合いを記載します。

工事検査記録書

自主検査の合否基準、管理値を外れた場合の措置を記載します。

合否判定を記載するチェックシートとして工事中に使用します。

施工要領

施工要領書は、施工計画書を基に下請けの専門工事業者が作成します。

  • 使用材料、工法
    • 使用材料
    • 使用機器
    • 搬入方法
    • 楊重方法
    • 使用工法
  • 施工フロー
  • 施工方法

安全・衛生管理

  • 安全・衛生管理
  • 安全衛生管理体制
  • 現場入場ルール
  • 各種チェックシート

その他

  • 名簿、有資格者一覧表及び免許写し
  • カタログ類
  • 参考資料

まとめ:工種別施工計画書の特徴や記載内容について

今回は建築工事の各作業を行う前に作成する工種別施工計画書の特徴や記載内について確認してきました。

今回のポイント

  • 工種別施工計画書とは何か
  • 誰がなんのために作成する計画書なのか
  • 記載する内容やテンプレート

工種別施工計画書には、工事を行う上での管理基準や、役割分担、施工時期、施工方法など、その工事の内容すべてを記載します。

作成者は工事を担当するゼネコンの担当職員です、作成前には再度確認いただいだき、しっかり作り込んでスムーズに工事に着手してください。

今回の記事で扱った数値の根拠や、品質基準を詳しく知りたい場合は「建築工事標準仕様書・同解説 JASS5」「公共建築工事標準仕様書 建築工事編」を参照することをおすすめします。

この記事が皆さんの業務のヒントになれば幸いです。

今回は以上です、ではまた!

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