【外装仕上げ工事】外壁仕上げ45二丁掛けタイル張り作業の流れを解説

施工管理業務

今回は鉄筋コンクリート造の建築物の外装仕上げ工事について、作業の流れを確認していきます

鉄筋コンクリート造(以下RC造)である程度の大きさがあり、工事に携わる機会の多いマンションの仕上げ工事の一例として、タイル張り仕上げについてに取り上げていきます。

この記事はこれから外壁仕上げ工事の施工管理をおこなう若手技術者や、はじめてRC造の建築工事の管理に携わる方に向けて、まずは工事の全体像を把握してもらうことを目的にざっくりまとめた記事です。

なぜこの記事を内容を若手技術者に確認してもらいたいのか

ある程度の規模のマンション工事では、躯体工事中に内装仕上げ工事や外装仕上げ工事が同時進行する時期があります、現場内での工事が増えると同時に管理する業務も増えます。

業務が増えたときに焦ってしまうことのないように、事前に記事を読んで作業の全体像を把握していただきたいです。

この記事でわかること

1.外壁の仕上げの種類

2.45二丁掛けタイル仕上げ工事の流れ

3.外壁タイル仕上げの品質検査

順番に確認していきましょう!

外壁仕上げの種類

RC造建築物の外装仕上げには、張り石仕上げ、タイル張り仕上げ、塗装仕上げ、カーテンウォール仕上げなどがあります。

張り石仕上げ(湿式工法)

躯体に金属アンカーを取り付けて、そのアンカーに仕上げ用の板状に加工した石を引っ掛け、裏ごめをすることで固定する仕上げ工法です。

重量があり、仕上げ自体が高価なのでエントランスなど部分的に使用されることが多い。

張り石仕上げ(乾式工法)

躯体にファスナーと呼ばれる金物を取り付けて、仕上げ用の石材を固定する工法です。

タイル張り仕上げ

躯体に接着用モルタルを使用してタイルを張り付けて仕上げる工法です。

張るタイルのサイズによって45二丁掛けタイルや二丁掛けタイルなどと呼ばれます。

塗装仕上げ

コンクリート躯体の表面を左官で補修した上に、塗料を塗るまたは吹き付けることで仕上げる工法です、ローラーや刷毛で塗布する工法や、機械で吹き付ける工法があり、求める仕上がり方によって選定します。

今回はそのなかでも採用されることの多いタイル張り仕上げについて確認していきます。

外壁タイル仕上げ工事の流れ

外壁の仕上げはマンションの仕上げとして採用されることの多い、45二丁掛けタイルで仕上げる場合を想定しました。

45二丁タイルの形状は、こちらも採用されることの多い仕様で、施工しやすいようにタイルを台紙にセットしたユニットタイルを想定しています。

では順番に確認していきましょう。

躯体コンクリートの出来形検査

型枠を解体した後に、躯体コンクリートの品質を確認する出来形検査を実施します。

検査を行った際に、コンクリートにジャンカやひび割れなどの不良が発生を確認した場合には、その程度によって必要な補修を行います。

この補修個所に高圧洗浄をかけると剝がれてしまうため、検査時期や補修施工時期には注意が必要です。

下地処理

コンクリート躯体にタイルを直貼りする場合に、タイルの剥離防止のためにコンクリートの表面を清掃・目荒らしを行います。

通常のコンクリート用ベニヤで型枠を使用する場合には、高圧洗浄を実施することが多いです。

高圧洗浄機から射出される水はコンクリートの表面を削るほど強い圧力のため、作業中は必ず立ち入り禁止としてください。

墨出し

タイルを真っすぐ通りよく張り付けるために、躯体に水平と垂直の墨をしるしします。

内部と外部の基準がズレないように、墨は内部の基準墨から移すようにします。

金属建具(サッシ)取付

外部仕上げに先行して、各種金物やサッシを取り付けます。

サッシ位置はタイルの割り付けや躯体のわずかなずれを考慮して決定します。

この位置がズレると、内部仕上げが収まらなかったり、外部のシール幅が不足したり、中途半端なサイズのタイルを張らなくてはいけなくなります。

捨てシール打ち

躯体誘発目地や躯体打ち継ぎ部分・躯体とサッシの取り合い部分、構造スリット目地部分に止水のためのシーリング材を充填します。

躯体に施工するシーリング材は、接着面はズレないと想定するために三面接着とします。

塗膜防水

躯体内部への雨水侵入を防止するために、躯体の一部に塗膜防水を塗布することがあります。

躯体の誘発目地・水平打ち継ぎ・サッシとの取り合い部分・躯体補修を行った箇所などが該当します。

また、バルコニーなどの雨掛かり部分は塗布するなど、デベロッパーさんによってそれぞれ仕上げの仕様が決まっているので施工前に確認しておきましょう。

モルタル下地

コンクリート直貼りであっても、躯体の段差などをモルタルなどで不陸調整をおこなって平滑にしておきます。

使用するモルタルは既調合のポリマー系セメントモルタルを使用します、モルタル下地は木ゴテでくい付きの良いように仕上げていきます。

糸張り

タイルを通りよく張り付けるための準備として、基準の糸を張っていきます。

これは下地処理を行ったりタイルを張っていくと、基準の墨が見えなくなるためです。

タイルの側面に合うように、水平・垂直に糸を15㎜ほど浮かして張っていきます。

この時にシーリングに釘を打ってしまうと止水効果が低下するため、目地付近に糸を張る場合には目地をまたいで木を打っておいてから、その木の上から糸を張るようにします。

張付けモルタル塗り

まずは、下地の乾燥の程度に応じて水湿しまたは給水調整剤の塗布を行います。

つぎに、機械練したモルタルを付け送りタイルを張る準備をします。

ここでの注意ポイントは、45二丁タイルのユニットタイルの場合に一度に張付けモルタルを塗り付ける面積の限度は3㎡/人までとします。

塗り付け面積が多すぎると乾燥して接着不良を起こすことがあるため、横着せずに必要な面積を塗り付けるように管理しましょう。

タイル張り

張付けモルタルを塗ったのちに、ユニットタイルを張り付けていきます。

張り付けた後は、たたき板でタイルを密着させ、台紙の目地部分が湿る程度までたたき押さえを行うようにします。

タイル張り後、1日程度おいて台紙を噴霧器で水で湿らせてからめくっていきます。

タイル目地込み

台紙を撤去したのちに行う作業です。

タイルの目地部分に入った張付けモルタルを除去し、目地材をタイル表面から鏝(こて)を使用して充填していきます。

目地の仕上げは湿らせたスポンジなどで押さえて気泡の無いように仕上げます。

仕上げシーリング充填

躯体目地部分、サッシや金物との取り合い目地部分、構造スリット目地部分に仕上げシーリングを充填します。

外壁タイル仕上げの品質検査を実施

  • 打音検査(打振検査)
  • 引張強度試験

打音検査(打振検査)

テストハンマーや打振棒でタイルの表面を転がすように叩いて音で密着度の確認を行います。

密着していないタイルは乾いた音がするので明確に音の違いが分かります。

引張強度試験

タイルの施工後2週間以上経過したのちに、引張強度確認の破壊試験を行います。

試験の数量は施工面積100㎡以内毎に1か所以上かつ、全体で3か所以上実施する必要があります。

引張試験を実施した全数で、測定結果が0.4N/㎟以上かつ、コンクリート下地の接着界面における破壊率が50%以下であれば合格と判断できます。

試験には工事監理者に立ち会っていただき、実施か所と結果を品質記録に残すようにします。

品質検査後に行う作業とは?

品質確認のための検査を実施し、品質記録を終えたあとで行う作業について確認していきます。

クリーニング

検査に合格したら、その他の工事状況にあわせてタイル表面の仕上げのクリーニングを行います。

タイルの表面に残った汚れ・目地材・台紙・もらい錆びなどを除去して綺麗にします。

仕上げクリーニングには薄めた酸を使用することが一般的ですが、取りついている金物によっては白華の恐れがあるので事前に確認しておいてください。

外部足場解体

外部仕上げ作業が一通り終わったあとは、作業で使用していた仮設の外部足場を解体します。

外部足場の転倒防止として躯体に足場つなぎを設置しているため、足場解体に合わせて足場つなぎを外した部分のタイルを張っていきます。

この時に張るタイルの量を減らすために、足場つなぎインサート位置を躯体工事中に調整できると、もう立派な管理マンといえますね。

まとめ:外壁45二丁掛けタイル仕上げ工事について

今回はRC造外装仕上げのうち、45二丁掛けタイル仕上げの工事の流れを確認しました。

RC造マンション工事では採用されることの多い仕上げのひとつです、工事の流れは躯体の点検~準備~タイル張り~試験、といった順に進んでいきます。

実際に工事を行う前には再度確認して、これからどんな作業を行うのか思い出していただきたい内容です。

今回は以上です、ではまた!

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