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8. 型枠の設置とコンクリート打設:現場でのミスを防ぐための注意点

基礎知識
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コンクリートの型枠設置は品質の土台。 正確な型枠の組み立てと打設技術を学び、施工トラブルを未然に防ごう。

コンクリート工事の成否は、型枠設置の精度とコンクリート打設の適切さにかかっています。

型枠が正確に設置されていないと、施工後に形状の歪みや強度不足が発生し、建物の安全性が損なわれるリスクが高まります。

また、打設時のミスがコンクリート内部に空隙を生じさせ、ひび割れや強度低下の原因にもなります。

この記事では、型枠の設置とコンクリート打設の基本を押さえ、現場でのミスを防ぐためのポイントを解説します。型枠と打設の正確な技術を習得し、施工品質を確保しましょう!

「本記事は、コンクリート施工に関するシリーズの一部です。このシリーズでは、施工の基礎知識から品質管理、運搬、締固め、養生まで、施工管理者が押さえるべきポイントを徹底解説しています。詳細な内容については、ぜひ他の関連記事もご覧ください。」

まとめ記事はこちら↓

型枠設置の重要性と基本手順

型枠はコンクリートの形状を決定し、設計通りの建物を実現するための重要な要素です。

型枠がずれたり、強度が不足していると、打設後のコンクリートが設計通りの寸法や形状を保てないため、型枠の設置には高い精度が求められます。

1. 設置前の確認作業

型枠の設置前には、設計図面に基づいて寸法や配置を確認することが重要です。

型枠の配置や高さが正確でなければ、施工後のコンクリートの寸法にズレが生じる可能性があります。

  1. 基準線の確認
    • 型枠設置の前に、地盤に基準線を引き、正確な位置や高さを確保します。基準線を誤ると、建物全体の構造に歪みが生じることがあります。
  2. 水平・垂直の確認
    • 型枠が水平・垂直に正しく設置されているかを、水平器やレーザーレベルを使用して確認します。特に高さや傾きに注意が必要です。

2. 型枠の組み立てと支保工の設置

型枠の組み立てでは、型枠がコンクリートの重さに耐えられるよう、十分な強度と安定性を持たせることが必要です。

適切に設置された支保工(しほこう)が、コンクリートの打設時に型枠が動かないように支える役割を果たします。

  1. 強度のある型枠材の使用
    • 型枠材は、木材や鋼製のものが使用されますが、どちらも強度を確保するための適切な厚みや耐久性が求められます。特に高強度コンクリートを使用する場合、型枠にかかる圧力が大きくなるため、より強固な支保工が必要です。
  2. 支保工の設置
    • 型枠がコンクリートの圧力に耐えられるよう、適切な間隔で支保工を設置します。支保工の位置や角度を確認し、型枠がしっかり固定されているかチェックしましょう。支保工が不十分だと、コンクリート打設中に型枠が変形する可能性があります。

コンクリート打設時の注意点

型枠がしっかりと設置されたら、次にコンクリートの打設を適切に行うことが大切です。

打設時のミスは、後々の施工トラブルの原因となるため、注意深く作業を進める必要があります。

1. 打設前の型枠と鉄筋の点検

打設前には、型枠や鉄筋が正しく配置されているか、再確認を行います。

特に、型枠が打設の圧力に耐えられる状態か、鉄筋が設計図通りの位置にあるかを確認することが重要です。

  1. 型枠の強度確認
    • 打設前に、型枠がコンクリートの重さに耐えられるよう、型枠の固定状況を再度チェックします。型枠の強度が不十分だと、コンクリートが型枠を押し広げ、形状が崩れる可能性があります。
  2. 鉄筋位置の確認
    • コンクリートが型枠内に均一に流れ込むよう、鉄筋が適切な間隔で設置されているか確認します。鉄筋がずれていると、強度や耐久性に影響を及ぼすため、鉄筋位置を正確に整えておきましょう。

2. 均一な打込みと連続打設

コンクリートの打設は、一度に大量に流し込むのではなく、層ごとに分けて慎重に行うのがポイントです。

打設作業は途切れなく進めることが、コンクリートの強度や仕上がりを保つために重要です。

  1. 層ごとの打設
    • コンクリートは、30〜50cmの層ごとに均等に打設し、各層が密着するようにしっかりと締固めを行います。層ごとの打設は、コンクリート内部に空気が残ることを防ぎ、均一な強度を確保するために必要です。
  2. 連続打設の徹底
    • 打設中に作業が中断すると、継ぎ目ができ、そこが強度不足の原因になる可能性があります。途切れることなく連続して打設を行うために、事前に十分な人員配置と打設計画を立てておきましょう。

3. 締固めの重要性

コンクリートを型枠に打ち込んだ後は、バイブレーターを使用して締固めを行います。

締固め作業が不十分だと、コンクリート内部に空隙ができ、強度が発揮されないため、確実な締固めが求められます。

  1. バイブレーターの使用
    • バイブレーターを適切な間隔で使用し、全体に均等に振動を伝えることで、コンクリート内の空気を排出します。挿入間隔や振動時間に気を配り、過剰な振動を避けつつ、均一な締固めを行うことがポイントです。
  2. 角や隅の締固め
    • 特に、柱や壁の角や隅は、コンクリートが流れ込みにくく、空気が残りやすいため、バイブレーターをしっかりと挿入し、空気を除去します。こうした細部の作業が、全体の品質を左右します。

型枠取り外しと施工後の確認

コンクリートの打設と締固めが完了し、一定の強度が発現した後、型枠を取り外す作業が行われます。

この際、コンクリートが十分に硬化していることを確認することが重要です。

1. 型枠の取り外し時期

型枠の取り外し時期は、コンクリートの初期強度が十分に発現してから行います。通常、24〜48時間が目安ですが、気温や天候、コンクリートの配合によって異なるため、慎重に判断しましょう。

  • 強度試験の実施:取り外し前に、必要に応じてコンクリートの圧縮強度試験を行い、取り外しが安全かどうか確認します。強度が不足している場合は、取り外しを延期し、養生期間を延ばします。

2. 型枠取り外し後の確認作業

型枠を取り外した後は、コンクリート表面にひび割れや形状の歪みがないかを確認します。

打設時に問題があった場合、取り外し後にトラブルが顕在化することがあります。

  • 表面の仕上がり確認:コンクリート表面が滑らかで、鉄筋が露出していないか、空隙や欠陥がないかをチェックします。もし欠陥が見つかった場合は、速やかに補修作業を行い、構造の安全性を確保しましょう。

まとめ

型枠の設置とコンクリート打設は、施工の品質を左右する最も重要なプロセスの一つです。 正確な型枠の設置と、打設中の適切な管理が、コンクリートの形状や強度を決定します。

施工管理者として、各工程での確認作業を怠らず、高品質な施工を実現するために細部にまで気を配りましょう。

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