今回は、建物の基礎構造体の構成や採用されることの多い工法について解説していきます
基礎は、建物の重量や積載荷重、地震や風や土圧・水圧などによって発生する力を、地盤に伝える役割があります
建物を支える基礎について、基本的な知識を確認していきましょう
基礎工事の施工時期は山留め壁の構築をに行われる工事です、全体工程としては序盤に行う工事ですね
この記事で分かること
1.基礎の構成と種類
2.杭基礎の特徴
順番に確認してきましょう!
基礎の構成
基礎は基礎スラブ+杭で構成されています
基礎スラブとは地中にある杭以外の構造体ととらえて下さい
基礎スラブのみで構成された基礎を直接基礎と呼び、
基礎スラブ+杭で構成された基礎を杭基礎と呼ばれます
基礎の種類
基礎の種類と特徴を確認していきましょう
直接基礎
基礎スラブから直接荷重を地盤に伝えるものを直接基礎と呼びます
フーチング基礎
上図の右側ように地中梁より幅のある部位がフーチングです
この幅の広さで荷重をささえ、地盤へ伝えています
フーチングが単独で柱をささえている形状の基礎を単独フーチング基礎、
フーチングとフーチングを地中梁で繋いでいる形状の基礎を布基礎と呼びます
べた基礎
上図の左側ように、床面を厚くして強度を持たせて、面で荷重を支えている形状をべた基礎と呼びます
杭基礎
杭を介して地盤に荷重を伝えるものを杭基礎と呼びます
杭は、基礎スラブからの荷重を地盤に伝えるために地中に設ける柱状の部材です
地盤改良
改良材と土と水を攪拌(かくはん)させて、地盤自体に強度を持たせる工法
べた基礎や布基礎と併用して使用されます
地盤改良は形状によって柱状改良と浅層・深層改良に分類されます
柱状改良
フーチングの下に柱状に地盤を改良する工法で、杭に近いイメージ
浅層・深層改良
建物の下を広範囲で改良する工法、べた基礎の範囲の広いver.のようなイメージですね
杭の特徴
杭基礎に使われる杭の種類と特徴を確認していきましょう
杭は、既成杭と場所打ち杭の分類できます
種類①既成杭
工場で制作した杭を現場に埋め込む工法です
既成杭の材料
支持力による分類
支持杭
杭の先端を強度のある地盤(支持地盤)へのみ込ませて、支持力を得る
摩擦杭
強度のある地盤までの距離が長い場合に採用されます
杭周辺の地盤の逆向きの抵抗で荷重を支える工法です
施工方法
打撃工法
打撃によって既成杭を地盤に打ち込む工法です
騒音や振動が出るため現在はほとんど採用されていません
プレボーリング根固め工法
穴を掘り、既設杭を挿入、固定液で固定する工法です
この工法は後ほど詳しく解説します^^
種類②場所打ち杭
現場に孔(あな)を掘り、その孔の中にRC杭等を構築する工法です
材料
鉄筋、コンクリート
支持力
支持層に荷重を伝えて得る支持力と、
杭周辺の摩擦力を併用することが多い工法です
施工方法
孔壁を保護しつつ掘削し、鉄筋カゴを設置後、コンクリートを打設して構築します
杭の適用範囲
特徴としては
既成杭がカバーできる支持力の幅がひろいことです、昔より杭製品の品質が良くなったこと、認定工法で高支持力の既成杭が出てきたことが要因です
とても大きな支持力が必要な場合には、場所打ち杭でないと支持力を満足できないため、超高層のたてものなどは場所打ち杭が採用されやすいといった特徴があります
採用率の高い工法をもう少し詳しく
近年はある程度の規模の建物では、既成コンクリート杭を使用した杭基礎の採用率が高い傾向です
杭径
Φ300~1,200mm程度
各メーカーで50㎜~100㎜刻みで径寸法は設定されています
採用されること多い杭の種類
施工法の分類
打込み工法
杭頭をハンマ等で支持層まで打撃して挿入する工法です
打込み記録にて全ての杭の支持力が推定できます
騒音・振動大きい為、現在ではほとんど採用されていません
プレボーリング工法
騒音・振動小さい工法ですが、デメリットして掘削残土が発生するので処分が必要です
杭の工法として多く採用されています
中堀り工法
杭がケーシングとなるため鉛直性が高く、長尺の杭施工が可能です
リスクとして、地中障害や大きな礫があると杭が壊れることがあります
認定工法
大臣認定工法は各杭メーカーが考案・試験を行い、工法の認定を取ったものです
通常の既成杭より管理方法が細かく設定されていますが、高支持力の杭を施工できます
まとめ
今回は建物を支える基礎について、基本的な知識を確認しました
基礎は基礎スラブ+杭で構成されています
基礎の種類は、直接基礎・杭基礎・併用基礎・地盤改良があります、その中でも採用されることが多い工法は杭基礎の既成コンクリート杭工法です
基礎工事を行う前の、0⇒1の知識として確認いただけましたでしょうか
ではまた!
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