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【躯体工事】墨出し作業について解説!

施工管理業務
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今回は建物を建てる工事中に行われる墨出しについて、作業の内容と管理ポイントを解説していきます

墨出しは建物位置の基準や、内装外装の基準となる線を出していく作業です。

業者さんに依頼することもあれば、現場の職員が行うこともある作業です。

建物位置や基準線を決める責任は元請にあります、工事の基準ともなる重要な作業なので事前に確認をして手戻りの無いように管理していきましょう!

この記事で分かること

1.墨出しとは?工事の概要

2.墨出し作業内容と管理ポイント

順番に確認していきましょう!

墨出しとは?

建物を建てるための基準となる線を捨てコンクリート上や躯体などに印していく作業です

墨出しの作業を行う人は、現場監督、墨出し屋さん、大工さんなどで行います。

躯体工事中は柱・梁・壁など、躯体の正確な位置を出すために行い、仕上げ工事中は窓や扉・各部屋の間仕切り壁の位置や、外部仕上げの割り付け位置の基準のために行う作業です。

作業に使用する資機材

墨出し作業で使用する資材や材料を確認していきます。

使用する資機材
  • 墨壺
  • 墨汁
  • チョークライン(チョークの粉で線を打てる)
  • トランシット(角度を確認できる測量機器)
  • オートレベル(水平を確認できる測量機器)
  • トータルステーション(距離の測れるトランシット)
  • レーザー墨出し器(水平垂直にレーザーを出す機器)
  • 下げ振り(鉛直を確認するための分銅+糸)
  • コンベックス(いわゆるメジャー)
  • 差し金(直角に曲がった金属の定規)

測量機器は故障していないか定期点検校正検査を行い、正確に測れるものを使用します。

正確に位置を測定する、正確な位置を決定することは品質管理の重要な項目です、管理された機器を使用してよいものづくりをしていきましょう!

各工程で行う墨出し作業は?

建設工事の各工事段階で行う墨出し作業内容です。

各工程での墨出し作業
  • 基礎工事の墨出し作業
  • 躯体コンクリート打設後の墨出し
  • 仕上げ工事の墨出し

基礎工事中の墨出し作業

建物を支える基礎の工事中に行う、墨出し作業の内容を確認していきます。

工事状況としては基礎掘削作業を終えて、捨てコンクリートを打設後以降です。

  • 親墨出し
  • 子墨出し
  • スリーブや打ち込み金物位置出し

親墨出し

柱や梁の基準となる通り芯や、通り芯からの平行にずらした逃げ芯を、捨てコンクリート上に墨で線を打っていきます

高さの基準は山留め壁面などの動かないものへ出します。

正確にしるしをするために、オートレベル、トランシット、トータルステーションなどを使用して、KBMなどの基準ポイントから移していきます。

捨てコンクリート打設後状況
基準墨出し
1メートルの逃げ墨

上の図は見やすくするために青線で記載しています、実際は黒の墨でOKです

墨出し屋さんに依頼して行うことが多い作業ですが、建物位置の責任は元請にあります。

必ず自身の目や同僚・上司の目で確認を行いましょう。

子墨出し

捨てコンクリート上に出した基準の墨から、基礎・柱・梁・壁などの位置を墨打ちします

配筋や型枠建て込みなどの作業準備となる墨です。

子墨出しは型枠大工さんで行うことが多い作業です。

基礎小墨出し
子墨出し

子墨まで出すと、捨てコンクリート上に線が複数打たれた状態になります。

躯体の線の内側に、カラースプレーで色分けして基礎・柱・梁が分かる様にすると施工ミスを予防できます、私は下の図のように書いていました↓

部材の色分け

基礎が青色、柱が赤色、梁は緑色です。

黄色や黒はコンクリートの上に吹いても見えにくいので、赤青緑のカラースプレーがおすすめです。

スリーブや打ち込み金物位置出し

子墨が出た後は、躯体の中に打ち込む金物の位置を出していきます。

打ち込むことの多い物は、設備配管のためのスリーブや人通口用の型枠やスリーブです。

スリーブ作業

躯体に穴をあけておき、後から配管やケーブルを通せる準備作業です。

穴をあけるために仕込む材料は、塩ビ管や紙製のパイプ、型枠などです、コンクリートが入り込んでしまわないようにテープなどで蓋をしておきます。

人通口

建物の基礎部分に空間のあり、配管や貯水槽として使用する地下ピット形状の場合、各空間に人が通れる大きさで穴をあけておきます。

打ち込み金物位置出し

躯体にこれらの穴をある場合には補強が必要です、補強は鉄筋や鉄筋を加工した製品で行います、基準は設計図に記載されているので確認してください。

躯体コンクリート打設後の墨出し

次に地上階の躯体工事の墨出し作業を確認していきましょう。

  • 親墨出し
  • 子墨出し
  • 高さの基準墨

親墨出し

躯体工事時の親墨は通り芯から1メートルか1.5メートルずらした(逃がした)位置に出します。

地上階の基準の墨出しは、下階床に打ってある親墨から、作業をする階の床へ親墨を移すします。

スラブコンクリート打設前にスリーブなどを仕込んで15cm程度の穴をあけておき、仕込んでおいた穴から下げ振りやトランシットを使用して下階から基準墨を上げていきます。

墨ポインターと墨ボイドを使用すると穴埋めが容易になるので便利です。

子墨出し

親墨を利用して、壁や柱の位置を墨壺を使用してコンクリート上に打っていきます。

地上階を施工する段階では、基礎施工時のようにスプレーなどで位置出しは(あまり)しません。

すでに柱筋や壁筋がコンクリート面から出ていますし、構築する部材が細かくなってくるので位置を出すときには太マーカーが活躍します。

高さの基準墨

各階の高さの基準を手すりなどの躯体に墨出しします。

高さの基準は各階で統一し、SL+1メートルとしておきましょう、これがバラバラだと勘違いや施工ミスにつながります。

仕上げ工事の墨出し

躯体工事が進み、室内が片付いてきたら次にサッシやドアの位置や高さ、内装の基準や、外壁仕上げの基準を出します。

まず、準備として壁面に基準墨を床面の親墨を出し、高さのレベルを出しておき、次に各仕上げの墨を出していきます。

サッシやドアの墨出し

基準墨やずらした墨からサッシ位置が分かる様に記載していきます。

内装仕上げ墨

内装材の仕上げ面の位置を墨出しします(仕上げ墨)

間仕切り壁など、芯で出してしまうと下地を固定した後、墨が見えなくなるので注意です。

まとめ:墨出し作業の概要と管理のポイント

今回は墨出し作業ついて確認していきました。

墨出し作業は建物の位置や、仕上げの基準となる重要な作業です。

プロの業者さんにお願いしていたとしても、元請の責任範囲です、必ず自身の目でも確認してから工事をすすめましょう!

以上です!ではまた!

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